INTERVIEW

ユニークな発想で
新製品を開発する

研究開発
2019年入社

コンセプト、製品への落とし込み、
マーケとの連携…製品づくりの全てに関わるエキサイティングな仕事

大学では農業害虫のアブラムシが天敵からどのように逃げるのかについて研究していたので、その知識や研究での経験を活かしながら、お客様に直接製品を届けられるような仕事がしたいと思っていました。アース製薬での最終面接で研究所を見学させていただいてビックリ!それまで私が目にしたどの研究施設よりも立派で、規模が全然違う。昆虫飼育棟ではたくさんの虫が飼育されていて、ここの飼育昆虫は、種類・量ともにおそらく日本一だろうと感激しました。こういう所で仕事ができたら気持ちいいだろうなと直感したことや、先輩研究員も人事の方もいい方ばかりで、いろいろお話を伺って、入ったら楽しそうだなと思いアース製薬に入社しました。

実は、アース製薬よりも先に他社から内定をいただいていたので、研究所見学や最終面接を受けずにそのまま辞退しようと思っていたんですね。今となっては苦笑いの記憶ですが、辞退しなくてよかったとしみじみ感じています。就職活動って何が起こるかわからないですね(笑)。

大学時代にイメージしていた研究員は「実験や分析さえやっていればいい」と考えていましたが、入社してみると決してそうではありませんでした。製品のコンセプトの立ち上げに始まり、最終的には製品をどのように量産するのかまでのすべてが担当範囲です。このほかにもマーケティング部門と一緒にどのようにお客様に製品の良さを伝えるのか、ライバル企業の動向や、どのタイミングで発売するかまで考えます。この部分が一番難しいところで、製品開発の肝になります。

また、製品開発では処方だけでなく、原料メーカーの選定から容器設計まで携わります。何度も試験を繰り返して処方が決まったら、安定性試験もクリアしなければなりません。安定性試験では、加減温された製品を定期的にチェックし、中身の有効成分が分離していないか、ニオイや色が変わっていないかなど、長い時間をかけて確認していきます。

新製品の開発は時間との戦いでもあり、当然ライバル企業もアース製薬に先駆けて発売しようと日々研究しているんですよね。大学時代は自分の研究だけを考えていればよかったのですが、「製品開発」となると効果や効能といった中身の部分だけでなく、いつ発売するか?ライバル企業に先駆けて発売できるか?といったことも重要なポイントになります。

私が入社後すぐに手掛けた仕事は、特許対応とムカデのエアゾールの開発でした。特に特許対応は、知的財産の侵害をせずにどう戦うのか、相手に付け入る隙のないよう戦略を立てて詰めていきます。私自身、それまで特許について意識したことはありませんでしたが、製品の生命線をも左右する重要な領域なんだと、この仕事で認識させられました。

アース製薬では「研究員って、こんなこともやるのか」という感じで、何でも経験させてもらえます。学べることが非常に多く、刺激はいっぱいあるし、知らないことが山ほどあるし、覚えることは多いしで大変ですが、日々勉強しながら楽しい毎日を過ごしています。

園芸用品の製品開発を幅広く展開しながら
SDGsな家庭園芸を目指す

現在は園芸用品の製品開発を担当し、「やさお酢」をメインに担当しています。この、「やさお酢」という製品は食酢をベースに開発した安心安全で効果も高い製品です。虫がつく前からスプレーしておけばアブラムシ、ハダニなどの発生が防げますし、うどんこ病や灰色かび病などの発生も防げます。それに殺虫効果もあるので、発生してしまった虫を退治するのにも使えます。さらに言えば、「やさお酢」には植物を元気にする効果があるので、植物を病害虫に強く育てることができます。そしてこの製品の最大の特長は、病気と虫の発生予防・殺虫効果があるのに収穫直前まで使用できること。

こんなにメリットのある製品なのですが、「食物や人に対して安全なのはわかるけど、お酢で虫退治ができるの?」「植物の病気・虫退治に使えると書いてあるけど、お酢なのであまり効果がないんじゃない?」などといった声が聞かれ、お客様に製品の良さがまだまだ伝わりきっていないのが現状です。

そこで、もっと皆さんに「やさお酢」の良さをアプローチできるように、なぜ「やさお酢」が良いのか、なぜ植物の病気や虫に対して効果があるのか、そのメカニズムの解明について、とある大学と共同研究し、根拠のあるデータとして公表できるように進めています。

研究所にいるだけでは園芸用品の製品開発はできないので、私はできるだけ現場に出向くことを心がけています。家庭園芸をされている方や農家の方のもとへ行き、現場を見て、話を聞いて、何に困っているかを実際に感じないと、本当の意味でお客様のお困りごとに共感することはできませんから。「お客様目線」の思想にしっかり落とし込めるようにしていきたいです。

昨今、家庭園芸の分野では従来の「化学物質を含んだ農薬」を使用しない風潮へ変化しつつあり、特にヨーロッパではその流れが顕著です。日本でも規制や使用方法の見直しがかかっていくと思うので「持続可能なSDGsな家庭園芸」を目指してこれからも取り組んでいきたいと思います。

まさかのミスで学んだ製品開発の怖さと醍醐味
こんなにやりがいのある仕事はほかにない

今でも絶対に忘れてはいけないと自分の戒めにしているのですが、実は私、製品のキャップ1つの問題で、泣く泣く製品が世に出るタイミングを1年延期させた経験があるんですね(涙)。

製品開発も大詰めになって、製品に採用できるキャップを探していた時のことです。たくさんのキャップ候補の中から選びに選んで、いくつかに絞り込んで試験を重ねましたが、頼みの綱の最後の1個も衝撃を加えると強度が基準に満たないことが判明して…。たくさんテストもしましたし、過去の知見からも大丈夫だろうと判断して進めていのに、まさかまさかの上市延期。自分の詰めの甘さを痛感するとともに、キャップ一つですべてのスケジュールが狂う怖さを身をもって知りました。

日用品メーカーの醍醐味は、消費者の顔が見えることにあります。親や友達など身近な人たちにも実際に製品を使ってもらえて、その反応を見ることができます。とりわけ研究の仕事はトライ&エラーが速く、最終的に製品の形に落とし込むことがゴールなので、自分の気づきやこだわりが目の前でカタチになっていくのが実感できます。そして、そうやってカタチになった製品が全国展開でお客様のもとに届けられていくのですから、この上なく嬉しいですよね。アース製薬での研究開発の仕事は、そういう意味でも、めちゃくちゃやりがいのある仕事だと思っています。

ある1日のスケジュール

今日のスケジュール確認
今日のToDoと試験内容、
打ち合わせ内容を確認する
ランチ
居室でお弁当を食べながら同僚と雑談する
製剤調製
製剤評価内容と検討内容を踏まえて、次に試験すべき処方を調製する
明日の試験準備
植物や生物を用意し製剤を処理する
製剤評価
前日から行っていた試験の結果を確認して、試験内容をまとめて上長に相談する
新商品の検討
新商品の開発に向けてやることを洗い出し、上長や他部署とやりとりを行う
打ち合わせ
メーカーや共同研究先と打ち合わせして、今後の進め方の合意を得る
退社
今日もお疲れ様でした!
8:40
今日のスケジュール確認
今日のToDoと試験内容、打ち合わせ内容を確認する
9:00
製剤評価
前日から行っていた試験の結果を確認して、試験内容をまとめて上長に相談する
11:30
ランチ
居室でお弁当を食べながら同僚と雑談する
12:20
新商品の検討
新商品の開発に向けてやることを洗い出し、上長や他部署とやりとりを行う
14:00
製剤調製
製剤評価内容と検討内容を踏まえて、次に試験すべき処方を調製する
15:00
打ち合わせ
メーカーや共同研究先と打ち合わせして、今後の進め方の合意を得る
16:00
明日の試験準備
植物や生物を用意し製剤を処理する
17:00
退社
今日もお疲れ様でした!

※記載の所属・業務内容は取材時点の内容となります。

休日はどう過ごしていますか?

魚釣りが大好き!

毎週土日は釣り三昧。海へ、河川へ、渓流へ魚を求めてどこへでも。今は磯からメバル、ヒラスズキ、ヒラマサをルアーで狙うことにハマっています。私にとって釣りは人生の楽しみであり、生活の一部です。

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