地域ごとに異なるニーズに即した独創的な「売り場づくり」
アース製薬の商品を使ってお客様に喜んでいただくことが最終的な目的です。それによってお取引先にも感謝していただけますし、会社への貢献にもつながります。EMALたちは、全国で、ひとりひとりが各地域の売り場を任されています。売り場のプロモーションや什器設置、POPづくりなど、店頭でお客様とのコミュニケーションを、それぞれの個性や特技を活かして取り組んでいます。言うなればそれは芸術と言ってもいいようなものもあり、何もない場所に組み立てられる什器は圧巻で、素晴らしいクオリティです。その地域に暮らすお客様のニーズに即して独創的な売り場をつくれることが、当社の営業戦略における特徴であり、強みでもあります。
EMALそれぞれに得意なスキルは異なります。EMALは「個」で活動するのですが、自分の得意なところを活かしつつ、不得手なところはEMAL全員で協力しあって取り組んでいます。具体的に言うと、「あつまれ店頭のネタ」という社内コンテンツでPOPの書き方や什器の作り方のナレッジを共有しており、それを見れば販促ツールをつくるのが苦手な人でも、目的に応じた売り場づくりができる仕組みとなっています。
できる人ができることをやればいいし、みんなでやった方が効率や成果に結びつくことはみんなでやろう、ということをEMAL達に伝えてきています。それぞれの個性が際立っている方が、組織として面白く、魅力的になっていくと思います。色々な人がいるからこそ、多くの発想が生まれ、売り場づくりに関しても「打ち手」のアイデアがたくさん生まれてくるのです。
アースの商品を使ってお客様が喜んでくれることが生業
全国各地のEMALにむけて、「今月もありがとう」という感謝の気持ちをメールで送っています。売上実績だけでなく、今度はこういう施策をやってみようといったことも併せて伝えることで、店頭をさらに盛り上げて、それによって売上が向上し…という好循環につながっていると感じています。店頭での商品の売れ行きや店舗の動向をきめ細かく分析し、販売戦略を練り上げて小売店に提案、販売促進をサポートするのがEMALの仕事です。各地で同じことをしているようで、すべては同じではなく、店舗やお客様を取り巻く環境は千差万別です。だからこそEMALには、自分が納得して、自分を大事にして、自分のために働いてほしいと思っています。
EMALはひとりで行う仕事がほとんどです。取引先の人に会ったらその人とコミュニケーションをとる。売り場に行ったら売り場の人にご挨拶をする。そうした日々の業務をそれぞれが個別に行っています。ひとりで多くの業務や役割をこなすことは大変ですが、その方が「次にこれやろう、あれをやろう」とアイデアがつながり、充実していくのではないでしょうか。
私は部長という立場ではありますが、EMALとはポジションが違うだけで、目指すこと・やっていることは同じと思っています。束ねているという意識はあまりないかもしれません。むしろ、みんなが自発的にがんばれるための応援をしたいという気持ちが強いです。EMALがその人らしく、その人の個性やスキルを発揮して仕事をする。その方が会社にとってもプラスになるはずですし、まわりまわってステークホルダーにいい影響が波及していくと思っています。
みんなで同じ方向を向き、士気を高める
私はこれまでドラックストアの化粧品から医薬品まで、いろいろな商品の販売・教育・バイイング・ブランディングの責任者をしてきましたが、どんな商品であってもそれを実際に店頭で販売する人が非常に重要であると考えています。お客様に最も近いタッチポイントにいる人たちが売上を伸ばすための教育も必要です。なぜ、この商品がいいのか。なぜこの施策をやらなければいけないか。そうしたひとつひとつの要素に納得できなければ、EMALは動きだすことができません。日本全国にいるEMALをまとめて、みんな一緒に同じ方向を向くために、彼女たちの心に刺さるか刺さらないかを大切にしています。そのように伝え方に気をつけていたら、いい循環が生まれ、売上にもつながるという成功事例が増えてきました。こうした経験を活かしながら、みんなで士気を高めています。
去年、全国のEMAL全員と面談をしました。なかには、はじめは疑心暗鬼な方もいましたが、1年すぎる頃には別人にようになって意欲的に働いてくれています。私が行ったのは、彼女たちが抱える不満を、小さな一歩でもいいので改善できるよう各部署にかけあうことです。そうして少しでも待遇や環境に変化が生まれれば、「自分たちの想いが伝わった」と実感できますし、それがモチベーション向上にもつながります。EMALの誰もが、大変な状況下でがんばっています。彼女たちのそんな「いいところ」「がんばってくれているところ」を、これからも丁寧に掬いあげていきたいです。
自分たちにしかできない仕事がある
1年に1度、EMALの全体会議を行っています。家庭を持つEMALが多いので、出張を伴うこの会議に賛否両論はあるのですが、自分たちの業績を社長から褒められ、会社に認めてもらうことでやりがいにつながると私自身は考えています。10年勤務したEMALは表彰対象となるのですが、該当するEMALは任意ですが全員、本社へ足を運んでもらっています。社長から直接、「10年間ありがとう」と声をかけてもらって賞状を受け取ることで、会社への帰属意識も高まるのではないでしょうか。会長や社長も、会議でEMALの大切さを伝えてくれます。こうした経験がEMALにとって励みとなり、自分たちにしかできない仕事があるのだと気づくきっかけになるのです。
また当社にとって重要なイベントであるモンダミンカップに、2022年からEMALも参加するようになりました。会場に来ると、その場でふだんは知り合えない他の社員とも交流できます。自分たちも会社のイベントに一緒に参加しているという意識が芽生えると、会社に対する一体感も醸成されるのではないでしょうか。
いい方を見ていくと、悪いところが減っていく
個人的に大切にしているのは、何と言っても人とのご縁です。私自身、たくさんの人に助けられ、その人たちのおかげで、ここまでやってこられました。EMALに関しても、全国のEMALが日々がんばってくれていることで助けられてきましたし、成果を出せているのです。いつどこで誰にお世話になるか、ご縁がどこでつながるか、誰にも分からないからこそ大切にしたいとの想いが強くあります。
多くのご縁を頂いたことで数回転職している経験から申し上げると、たとえよかれと思ってやることであっても、何かを成し遂げるには少なくとも3年はかかります。人との関係性も然りです。けれど不思議なもので、いい方を見ていると、だんだんと悪いところは減っていくのです。そうしていいところが増えてきたときに、悪い点を注意して改善していくようにしています。人間関係においては特に、相手の性格は変えられません。変えられるのは、こちら側の見方だけです。そのようにして相手との関係性を築きながら、さらにいい方へ発展させていきたいと考えています。
成果を達成するために必要なことであれば、長期的に粘ります。少しでも可能性があるなら、それが実現できるまで追い続けたいですし、突きつめていきたいです。
「感謝」と「報連相」で、営業とのスムーズな連携を図る
EMALの活動に話を戻しますと、EMALが仕事をしやすくすることも私の大切な仕事と認識しています。特に重要なのは営業部員とのスムーズな連携です。具体的には納品日や数量をタイムリーに正しく伝えるといった、基本的な事、いわゆる「報連相」を徹底しようと営業会議でも伝えています。コミュニケーションはとても大事ですので、
営業部員とEMAL、双方が互いに感謝をしあう「感謝のワーク」を導入しました。お互いのリスペクトを高めるためには、お互いが心を開くことが最初の1歩となります。感謝は何にも増して大事です。はじめのうちはスタッフ間で反発もありましたが、このワークに参加したスタッフは最終的にはみんな満足していました。
女性の自立を支援するプロジェクトに参画
私は、幼い頃に定期的に健診を受けるために大学病院へ通っていました。そうした経験から、誰かを助ける仕事に就きたいとの憧れを抱いてきました。また、ガールスカウトに所属して共同募金に携わったり、近所の保育園に紙芝居をつくって読み聞かせをしに行ったり、誰かへの親切や奉仕の経験が自分にとってのベースにありました。
ですから、誰かの役に立つことは常に心がけています。その取り組みのひとつとして、当社は一般社団法人バンクフォースマイルズが実施する「コスメバンクプロジェクト」にボードメンバー企業として参画しています。
このプロジェクトでは「地球と女性にスマイルを」という理念のもと、余剰在庫となる製品を経済的理由などで日用品や化粧品を手にできない方へ届けています。2023年度は年間でおよそ6.3万世帯のもとへお届けしました。こうした女性たちの自立支援を通じて、貧困問題や健康と福祉、ジェンダーの平等、働きがいといった社会課題に向き合いたいと考えています。
(左:当社代表取締役社長CEO 川端克宣、右:一般社団法人バンクフォースマイルズ代表理事 山田メユミ氏)
お客様の声を商品に活かし、商品の価値をお客様に伝える
これまでお話してきたように、人の心も体も健康にしたいとの想いが根底にあります。人を助けたいと思っても助けられないこともあるからこそ、できることはなんでもやりたいし、応援したいと思っています。人助けは、口で言うほど簡単なことではありません。だからこそ、すぐにやれることだったら、助けられるチャンスがあるなら、早くやったほうがいいと思っています。
行き届いていない点に対する希望は、叶えられるなら叶えたほうがいいですよね。ひとりから声が挙がるということは、同じことを思っている人が他にもいるかもしれませんので、ダメもとで臨むようにしています。具体例は枚挙に暇がないのですが、簡単なことであればすぐに対応しています。
EMALは店頭でお取引やお客様に切する機会が多いため、多くの意見が上がってきます。商品開発に関しての意見はアクトフォープロダクトに投稿しています。
製品への想いやその価値がお客様に伝わりにくい時、どうしたらお客様に伝わるかを考え本当の良さ、使い勝手を少しでも伝えていけたらと思い活動していただいています。この商品が生まれた背景や開発秘話、お客様の悩みや課題をどのように解決できるのかといったことを、商品を置く店頭でお客様に直接お伝えできるのがEMALの仕事であり、強みなのです。
それを伝えるためのPOPや販促物は、同じ商品であっても、地域によって表現する内容は異なります。そこが難しいところなのですが、冒頭にお話したように、そこをみんなの得意分野や知見を分かち合いながら、みんなで協力し合いながら取り組んでいます。
お客様も、スタッフも、人の心を動かすことは容易ではありません。難しいチャレンジではありますが、だからこそやりがいがあります。これからも、お客様やスタッフの声を掬いあげることから「いい商品」をお客様の手元に届くよう、そのよさを伝え、販売を促進することで会社の売上や企業価値に貢献していきたいですね。それによって、お客様・お取引先様・当社のスタッフ・それらを取り巻くあらゆるステークホルダーの幸せにつながっていくのではないでしょうか。