アース製薬

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人の、生物の、多様性を尊重することで、アースグループの新しい価値創造につなげたい。

ダイバーシティは「個」を尊重することから

代表取締役社長CEO 川端 克宜

アースグループの経営は「人がすべて」ということが根幹にあります。

何よりも社員、人の力が重要です。基本的人権やダイバーシティを念頭においた事業活動は、サステナビリティなどの考え方が出てくる前から、当社グループにとってはあたり前のことでした。SDGsなどの目標が設定されたから行動するのではなく、他を尊重するという、人として、企業人としてごく当然のこととして捉えています。例えば男性・女性といった性別による区別や言葉の定義以上に、当社グループでは個を尊重することがダイバーシティの基本と考えます。社員一人ひとりが理念やサステナビリティの概念、方針を理解し、日々の活動に臨んでほしいと思っています。

SDGsは2030年で終わりを迎えますが、その社会課題解決のための取り組みがこれからも続く中での一つの区切りです。長い時間をかけて現在の地球環境ができあがっているのであれば、2030年までの期間限定の取り組みですべてを解決できるものではありません。喫緊の課題である気候変動への対応、とりわけCO2排出量の削減に関しても、その後も見えて課題の解決に向けて努力することは当然のことです。当社グループが、国連グローバルコンパクトの10原則に署名しているのもその普遍的な考え方に則っているからです。アース製薬は、2025年に設立100周年を迎えます。この節目を機会に、これまでやってきてくださった先人に感謝し、まずは社員が幸せになり、その幸せが社会、地球へと広がっていってほしいと考えます。社員一人ひとりが尊重しあい、ダイバーシティを実現することでウェルビーイングにつながっていくと思います。


当社では2022年に、CSRサステナビリティ推進部を新設し、企業としてのサステナビリティ活動の方向性を明確化しました。ただ、実践していくのは社員一人ひとりです。会社にはいろいろな世代、バックボーン、スキル、専門性をもった人たちがいます。互いの知識や技術を共有して共に進んでいくために、コミュニケーションを通じてダイバーシティを理解することは大変重要です。仕事をしていると自分の専門分野の話を、相手も知っていて当然と思って話をしてしまうことがありますが、自分自身も専門以外のことは知らないことを認識して伝えることが大事です。それには年齢や役職、新卒・中途採用の違いなどは関係なく、常に相手を尊重し、相手がわかるように「翻訳」して伝える必要があります。それが単なる言葉の定義ではなく、本当の意味でのダイバーシティにつながると考えます。

サステナビリティに「アースらしさ」を

当社グループは、東証プライム市場への上場企業として、様々なサステナビリティの開示基準に照らし合わせて、方針や体制の見える化、取り組みの数値化を進めています。取り組みの具体的な内容や目標数値などを見える化することで、まだ足りない点に気づき、さらに既にやっていることも見直すきっかけになっています。また、情報開示により当社グループについてより多くの方に知っていただくことにもつながるため、できるだけわかりやすく、丁寧に伝えることが大切であると考えます。

サステナビリティ経営には「アースらしさ」が必要です。生物多様性や気候変動、資源循環などといった課題に対しても、当社グループにできることがたくさんあります。しかし、社会課題に対応するには、これまでの考え方そのものを変えることも必要です。例えば、一昔前は、虫が媒介する感染症対策として、これを排除する製品で人々の暮らしに貢献してきました。しかし、そのことによって生態系を崩してしまうことは望んでいません。人間にとっては害虫であっても、生物全体の生態系という中では重要な役割を果たす虫もいます。「殺虫」という考え方ではなく、本当に人に害のあるものだけを防除し、人に寄らないよう虫除けすることで十分という意味で、当社グループでは、業界の中でもいち早く、「虫ケア」という考え方を打ち出しました。より多様なものの見方をしていくことがアースらしさにつながるのだと思います。これからも人にとっても虫にとっても快適な環境となる製品開発をします。

新しいデジタル技術も積極的に活用すべきですが、大切なことは、「何のためにそれを使うのか」ということにこだわり、必要ならこれまでの慣習にとらわれずにどんどん取り入れるということです。日本初の画期的な酸化制御技術である「MA-T®」もオープンイノベーションの中から生まれましたが、このように異業種とも手を組んで事業のフィールドを海外に広げています。

また、価格だけで選ぶ、自社だけがよければいい、という時代ではありません。サプライヤーの皆様、お客様をはじめ、様々なステークホルダーの皆様と一緒に、グローバルなサプライチェーンで、サステナビリティの課題解決実現を目指して協力していきたいと考えます。

これらを支えるのは、一人ひとりの社員の力です。これからも、様々なステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、社会のため、ひいては地球環境に貢献できるよう、事業活動に取り組んでいきます。

2023年11月
代表取締役社長CEO
川端 克宜

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