アース製薬

トップメッセージ

全社員が「自分事」としてサステナビリティ活動に取り組み、
誇りを持って新しいステージへ

加速するサステナビリティへの取り組み

 当社では2021年にサステナビリティ基本方針を策定して以降、サステナビリティへの取り組みを加速させています。国連グローバル・コンパクトをはじめとする国際的なイニシアチブへの参画、SDGsやコーポレートガバナンス・コードへの対応など、時代の変化に合わせてやるべきことはしっかりやる、というスタンスです。ただ、改めてこれまでの企業活動を振り返ってみると、当たり前のこととしてすでに実践していることも多く、まずはその事実を社内外で共有する必要がある考え、「できていること」の明文化からスタートしました。そして、次のステップとして2022年にCSRサステナビリティ推進部を立ち上げ、サステナビリティ活動をより広く浸透させていく体制を整えました。

 現在は、いかに全社を巻き込み、全社員主導型にしていくのか、という課題に取り組んでいます。CSRサステナビリティ推進部の役割はあくまで推進をすることであり、実際に行動に移すのは、一人ひとりの社員です。事業や日々の仕事に直結する活動ではないのでなかなか難しいと思うのですが、私たちの生き方や会社の存続につながる大事な取り組みであることを理解し、「自分事」として臨んでほしいと思っています。

加速するサステナビリティへの取り組み

アース製薬らしい視点で「殺虫」から「虫ケア」へ

 私たちは、「生命(いのち)と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」という経営理念のもと、アース製薬らしい視点を活かして、サステナビリティを巡るさまざまな課題に取り組んでいます。たとえば、業界に先駆けて「殺虫」から「虫ケア」へと発想を転換したこともその一つです。家の中で気持ちよく過ごすためには虫がいないほうがよい、と思うのは仕方のないことです。ただ、どんな生き物も意味があって生まれてきており、生態系の中で大切な役割を果たしている。人間の生活文化にとって邪魔なだけで、地球を主語にして考えると、果たして殺してしまうことが正しいのか。その場からいなくなってもらうだけでいいのでは―。そんな考え方が非常に大事だと考えています。

 そうした「虫ケア」の提唱などを通して、正しい知識を伝え続ける。薬剤を使用しない、人にも環境にもやさしい製品づくりをする。それは、衛生や益虫・害虫について深く理解をしている私たちの使命であると同時に、時代の要請でもあると感じています。
 ちなみに、世界で最も多くの人間の命を奪っている生物が「蚊」だということをご存知でしょうか。当社は花王株式会社様との協業で、翅(はね)や体を濡らすことで飛翔行動を妨げる、化学殺虫成分を含まない蚊駆除スプレーを商品化しました。蚊が媒介するウイルス性感染症のデング熱は東南アジア諸国を中心に積年の課題となっています。新しい価値を持つ虫ケア商品で世界中の人々の健康と快適な暮らしに貢献する。それもまた、私たちの重要な使命です。

自由闊達かつチャレンジングな風土づくり

自由闊達かつチャレンジングな風土づくり

 当社グループの経営の根幹には「人がすべて」という価値観があり、 何より社員の力が重要だと考えています。もちろん、ステークホルダーに順位があるわけではなく、大切なのは社員だけ、ということでもありません。しかし、「社員あっての会社」だということは確かです。価値観もライフスタイルも多様で、何に満足を感じるのか、その指標は人それぞれですが「この会社で働くことができてよかった」と思ってもらえるよう、制度や環境を整え始めています。本社のカフェスペースは、その取り組みの一例です。仕事をする上でチームワークは大事なのですが、1日約8時間会社で過ごす中で、一人で集中したい時もあれば、雑談をしたり、リラックスが必要な時もあります。日々の仕事やその人のスタイルに合わせて自由に使えるように、ということで設けたのですが、部署や世代の垣根を超えてさまざまな社員が集う場となっています。ふとした会話が気づきを与えてくれたり、いつか助け合うような関係につながることもあるかもしれません。コミュニケーションというのは本当に大切で、無駄なものなど全くないと思っています。

 そんな自由で活気ある職場づくりとともに重視しているのが、何事にも積極的にチャレンジする姿勢です。
技術の進歩に関して、この30年で最もインパクトがあったのはスマートフォンだと思いますが、ChatGPTの登場は、それに匹敵する久々の大きな技術革新、発明だと感じています。そこで、いち早く全社投入を推進し、その有用性の検証を進めています。新しい技術が出てきた瞬間に、世の中が変わる。そのスピードは年々早くなっていると感じます。私たちのビジネスに合うもの、合わないものがあると思いますが、まずは変化に対応していく、立ち止まらずチャレンジしてみる。そうして歩みを進めることが、進化、成長へとつながるのだと思います。

誇りを持って次のステージ、次の100年へ

 サステナビリティへの取り組みについて、すべてにおいて100点満点を出すことも大切だとは思うのですが、一方で、当社グループとしてまずどこに重点を置き、極めていくのか、ということも大切です。また、マテリアリティ(重要課題)に関しても、これから先は自分たちで決めていかなければならないと考えています。リソースを選択して、強みを伸ばすことに集中する。社員一人ひとりがそのことを意識し、誇りを持って、次のステージを目指してほしいと思います。

 2025年、アース製薬は設立100周年を迎えます。  じつはこれまで、いい意味で何十周年という節目をあまり気にしたことがありませんでした。長い歴史を積み重ねてきたことはもちろん素晴らしいと思っていたものの、よくここまできたな、くらいの認識でした。しかし、100年周年というのは、やはり大事な区切りだと感じます。「お客様」「社員とその家族」「サプライヤー」「株主・投資家」「地域社会」など、これまで支えてくださったステークホルダーの皆様への感謝とともに、次の100年に向けた志をお伝えする機会にしたいと思います。

代表取締役社長CEO

川端克宜

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