赤穂市とその周辺は、白亜紀後期の火山活動によってできた痕跡(コールドロン)が複数発見されています。そのうち赤穂市を中心としたコールドロンは国内最大級規模に匹敵しています。2016年の産総研の調査で発見されたこのコールドロンは「赤穂コールドロン」と命名され、アース坂越の森はその範囲内に位置しています。
アース坂越の森は、
瀬戸内海と瀬戸内国立公園に隣接した
アース製薬坂越工場内の自然豊かな
緑地のことで工場と自然の共生を目指し、
社員や地域の市民団体などと協力し、
生物多様性保全・管理・創出活動を
実施しています。
さまざまな生き物が生息し、
自然の豊かさが保たれていることを確認できたため
2024年3月に「自然共生サイト」に認定されました。
共生を保つための 保全・管理活動 貧栄養な土地でも
力強く生きる 生き物たち アース坂越の森で
発見された 希少種について アース坂越の森と工場の 周辺環境への影響
アース坂越の森 土地の特徴
1特徴的な地質
2土壌について
根が横に伸長する樹木が多い。細い樹木も多い。
赤穂コールドロンによって傾斜地が形成され、風や雨で土壌の有機物が侵食され栄養分が少ない貧栄養化しています。また、硬い岩盤により土壌の厚みが薄く樹木の根が伸長しにくい特徴があります。
3敷地内でみられる
赤穂コールドロンの一部
右:坂越の森で見られた露頭
敷地内でみられる複数の露頭は溶結凝灰岩※1であること、すなわち赤穂コールドロンの一部であることを確認しました。アース坂越の森の傾斜地では砂やシルト※2を中心とし地質に溶結凝灰岩が混じった地質も存在しています。
- ※1火山灰と角のとれた岩片からなる岩石
- ※2砂と粘土の中間の大きさを持つ土壌や地層に含まれる粒子の森で見られた露頭
自然と工場の共生を保つための 保全・管理活動
アース坂越の森の様子と
生息する生き物たち
貧栄養な土地でも力強く生きる 生き物たち
生息する虫たち
当社の虫の知識を生かし、昆虫類の調査を注力して実施しています。
生息する動物たち
トレイルカメラを設置し生息する哺乳類の調査を実施しています。
生息する鳥たち
清水建設株式会社にご協力いただき鳴き声や目視による鳥類調査を実施しています。
生息する水生生物たち
工場緑地では珍しく、敷地内には水辺が多く存在しています。水辺で生息している水生生物を調査しています。
生息する植物たち
姫路市を拠点に活動する市民団体【植生研究グループ 無名ゼミ】にご協力いただき、定期的な植生調査(木本)を実施しています。貧栄養な土壌でしか見られない特異的な植生を把握できています。
アース製薬らしい取り組み
アリは自然の
“ものさし”
アリは自然の【ものさし】とも言われ、
その森の多様度を表すと言われています。
アリに詳しい社員により
アリの調査を実施しました。
アース坂越の森は敷地面積の広い近隣の森よりもアリの種が多く確認でき、
健全な森が保たれているということが言えます。
アース坂越の森で発見された 希少種について
などを実施しています
-
ミサゴ 兵庫県レッドリストBランク -
モリアオガエル 兵庫県レッドリストBランク -
ニホンウナギ 兵庫県レッドリストBランク -
ニホンアカガエル 兵庫県レッドリストCランク -
イシモチソウ 兵庫県レッドリストCランク -
アカハライモリ 兵庫県レッドリスト要注目 -
ドジョウ 兵庫県レッドリスト要注目 -
ミナミメダカ 兵庫県レッドリスト要注目
モリアオガエルの
保全活動について
アース坂越の森と工場の 周辺環境への影響
アース坂越の森は水辺が多く存在しているのが特徴的で、
山からの雨水が池や主要な虫ケア用品を製造している工場敷地内を通り、海に流れていきます。
工場と自然の共生を証明したく、環境DNA調査を実施し周辺環境への影響について調査を行っています。
環境DNA調査とは
自然界では生物の毛やフンや粘液などの組織片由来のDNAが生息している環境に放出されています。水や土壌、空気などに含まれている、それら由来のDNAを環境DNAと呼びます。
この環境DNAを用いて、その環境に生息している生物の種類や多様性、量などを推定する調査方法のことを環境DNA調査といいます。
流れる水が周辺環境に影響を与えていないか
調査の目的
アース坂越の森は水辺が多く存在し、上流から工場内を通って海に向かって水が流れていきます。そのため、工場が周りの環境に影響してないかどうかを、流れる水や水辺のサンプルから環境DNA調査を行い生物相や種数の変化などを調べました。(2025年5月実施)
調査内容
敷地内とその周辺の地点で水サンプルを採取し環境DNA調査を行いました。本調査はサンリット・シードリングス株式会社にご協力いただいています。
結果
アース坂越の森、坂越工場の周辺環境において複数の生物が検出され、特に工場を経由した水が流れる沿岸地点においても、普通種だけでなく希少魚種であるイドミミズハゼが検出されました。工場やその水が、周りの環境へ影響を与えていないことが示唆されました。

昆虫類
| 上流①、②地点 | 7種 | ハエ目、トビケラ目 |
|---|---|---|
| 中流③、④地点 | 10種 | ハエ目、コウチュウ目、トンボ目 |
| 研究所・工場 近辺⑤、⑥地点 |
27種 | コウチュウ目、トンボ目、ハチ目、ハエ目、アミメカゲロウ目、カメムシ目、カゲロウ目、トビケラ目 |
魚類
| 上流①、②地点 | 0種 | ー |
|---|---|---|
| 中流③、④地点 | 2種 | ギンブナ、ミナミメダカ |
| 研究所・工場 近辺⑤、⑥地点 |
3種 | ギンブナ、ミナミメダカ、オイカワ |
| 沿岸⑦、⑧地点 | 13種 | クサフグ、イソミミズハゼ、イドミミズハゼ、クジメ、キュウセン、ミミズハゼ、ダイナンギンポ、ドロメ、ハタテヌメリ、メジナ、ボラ、カサゴ |
★マークがついている写真は、
清水建設株式会社によって撮影されています。