アース製薬

お客様の声が届く「窓口」から、
いい仕事・いい製品が生まれる

アース製薬は「お客様目線による市場価値創造」をポリシーに掲げ、「お客様相談室」を2018年から社長直轄部門とし、2021年には部署名を「お客様のお気づきを活かす窓口部」へと変更しました。それを機に、これまで以上にお客様のお気づきを商品開発や改良に活かし、安心・安全な製品の提供に取り組んでいます。「アースポリシー」を具現化するこの部門の活動について「お客様のお気づきを活かす窓口部」所属の川人展子と伊藤武史がご紹介します。

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苦情処理ではなく、ファンをつくる部署

 「お客様のお気づきを活かす窓口部」に寄せられる問い合わせ件数は年間で9万件にのぼります。一時期は10万件を超えていた時期もありました。製品の使い方に関するお声が最も多く寄せられます。他には、販売終了品や品薄になった製品をどこで買えるかといった販売店についてのお問い合わせもあります。
 いわゆる「苦情」は実はそれほど多くなく、全体の約13 %です。製品の不具合に関するお問い合わせは苦情に分類されますが、同じようなお問い合わせが多い案件は社内で共有し、製品の改善に活かしています。一般的に「お客様相談室」というと苦情処理の印象が強いかもしれませんが、私たちは「アース製薬のファンを作る部署」という心構えでやっています。「お客様のお気づきを活かす窓口部」にお声を寄せてくださった方が、それをきっかけに、今後もずっとアース製薬の製品を使いつづけていただけるようなコミュニケーションを心がけています。

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「お客様のお気づき」を経営層に届ける

 「お客様はこういうことに困っておられます」といったお声を、社長を交えた経営層に対して伝える報告会を定期的に行っています。そこにはブランドや研究開発、品質保証に関わる社員も参加しており、製品の改善について議論したり、改善の成果を報告したりします。「こうした方が親切ではないか」「これならすぐに対応できる」といったことは改善につなげています。社長の川端みずからがお客様からいただいたお手紙に目を通し、直にリクエストが下りることで改善のスピードが速まるケースもあります。
 お問い合わせでいただくお電話が1時間以上の長時間に及ぶ場合もあるのですが、それほどまでの想いを持たれたお客様のお声がアース製薬の経営層へ伝わり、製品の改善に反映され、実を結ぶ取組みを実行しております。

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働く人に配慮した職場環境づくり

 お問い合わせ対応を行うオペレーターは、一部を外部委託していますが、みなさんに我々社員と同様の研修を受けてもらっています。正しい製品説明ができるよう、研究部を交えた勉強会なども行っています。どのようなお問い合わせがあり、お客様へどのように対応したかといった事例については部署メンバー全員で共有し、次に活かせる体制をつくっています。
 私たちの部署は赤穂の眺めのよい場所にあり、オペレーターが気持ちよく仕事にあたれる環境づくりにも気を配っています。例を挙げると、部内の居室には観葉植物をたくさん設置したり、その日のちょうど500番目の電話を取ったオペレーターに飲料を1本プレゼントするサプライズを用意したり、そうしたことから一体感が生まれていると感じます。お問い合わせ件数は5月から増えはじめて夏が繁忙期になるのですが、外部委託の方からは当社の業務を継続して希望される方が多く、ありがたいことに「来年の夏が楽しみです」と言っていただいています。
 当社は「人がすべて」とコーポレートポリシーを掲げていますが、人を大切にすることがいい仕事につながっていると感じます。一体感は一朝一夕には積みあがっていきません。情報を適切に共有し、外部委託の方とも分け隔てなくコミュニケーションをとることが大事です。自分たちが大切にされていると感じられ、日々の仕事が経営や製品改善に活かされているとわかることがモチベーションにつながっていると思います。

お問い合わせから社会やニーズの変化が見えてくる

 お客様からいただくお問い合わせから、社会の変化が見えてくることもあります。たとえば、お問い合わせをいただく方法に関しては、メールが多くなっています。5年前に比べると倍以上です。それから、お問い合わせをされる男性の割合が4割程度まで増えてきました。ひと昔前までは、男性からのお電話を受けることは、ほぼありませんでした。家事の平等化や、おひとりで暮らす男性が増えてきているという社会背景を実感します。
 当社商品の特徴からみても、お電話での対応はまだしばらく主力だと思うのですが、いまお電話でお問い合わせされているお客様も10年経てばチャットボットやSNSにシフトしていくと考えています。ニーズが変化しても対応していけるように、時代の流れに合わせた価値をお客様に提供できるように私たちも対応力を向上させる準備を進めています。
 私たちの部署に寄せられるのは、苦情から世間話まで実に幅広いです。そうした多様なお客様のお気づきから、当社に求められる期待や課題を知ることができますし、未来にむけて何をすべきかが見えてきます。気づいたことを直接お伝えくださるお客様が、お問い合わせされたことをきっかけに当社のファンになって、製品の正しい使い方を周りの方へ伝えたり、虫に応じた製品をオススメしたりと、「アース製品の伝道師」のようになってくださると嬉しいです。そんなコミュニケーションをこれからも大切にしていきたいです。

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