中期経営計画
アース製薬は、持続的な企業価値向上に向け、2023年12月期を最終年度とする3ヵ年の新中期経営計画「Act For SMILE-COMPASS 2023-」を公表しました。今後はその計画に沿い、想定外の事態にも対応できる、より柔軟で筋肉質な体質へと強化すべく構造改革を推し進め「グローバル経営・グループ経営の進化」を目指します。
骨子

前中計で掲げた「海外展開の拡大」「グループシナジーの最大化」戦略を踏襲し、重点領域をそれぞれ「アジア」「コストシナジー」に絞り込み、積極投資を継続します。さらに、新中計では新たに「ESG・オープンイノベーション」戦略を打ち出し、日本のみならずアジア地域での社会課題解決に向けて、産官学のオープンイノベーションを推進、他社の強みを結合させることで、スピード感をもって社会課題解決にチャレンジします。
モノサシ・インフラの刷新
資本コストや非財務KPIといった新たな評価指標(モノサシ)への対応を踏まえ、社内の各種制度や規程、あるいは業務プロセスやシステムといった事業インフラを抜本的に刷新します。また、過去最大規模のIT投資により、デジタルテクノロジーの進化を積極的に取り入れ、未来を見据えた新システム・事業インフラの再構築を行います。
関連資料:DX及びICT投資について(PDF形式:6.29MB)
アジア収益基盤の拡大
タイ、ベトナム、中国など主要国では、虫ケア用品の市場シェア拡大はもちろん、洗口液や消臭芳香剤などの商品ラインナップの拡充により成長を加速させるとともに、アジア域内でさらなる展開国の拡大を図り、2023年海外売上高160億円を目指します。

- 現地ニーズに合った製品の開発・導入により、各国での市場シェアを高める
- 海外展開を利益の成長ドライバーの一つとすべく、一層の収益構造改善を図る
- 展開拡大に向けて、M&Aの活用も視野に入れる
コストシナジーの創出
グループのコアである国内事業基盤をさらに盤石にするために、グループ各社がマーケティング・研究・調達・生産・物流・販売・システムなどバリューチェーン全方位での連携をより強化し、シナジー創出を加速させます。

ESG・オープンイノベーション
全事業領域にESG視点を組み込み、オープンイノベーションを積極的に推進し、持続的な企業価値向上に向け、サステナブルな社会に向けた課題解決へチャレンジします。

Environment(環境)
- 返品削減・廃棄ロスの削減に向けた取り組み
- サステナブル素材の探求
Social(社会)
- WELCO Lab*1への参画
- 働き方改革の推進、健康経営優良法人を目指す
*1 グローバルヘルス分野の課題解決を目指す日本企業によるイニシアティブ
ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援のもと2020年10月に設立
Governance(統治)
- ダイバーシティの推進
- シナジーを創出するグループガバナンス体制の構築
オープンイノベーションへ向けた取り組み
革新的なソリューションとして期待される酸化制御技術「MA-Tシステム®」*2の幅広い展開に向けた産官学との連携を進めています。
*2 MA-TはMatching Transformation System®の略で、革新的な酸化制御技術です。亜塩素酸イオンから、必要な時に必要な量の活性種(水性ラジカル)を生成させることで、ウイルスの不活化、種々の菌(細菌)の殺菌を可能にします。さらに、活性度を巧みに制御することで、農業・医薬品・化粧品などへの幅広い応用が可能です。
関連資料:「MA-Tシステム」による新CSV戦略を発表(PDF形式:989KB)
関連資料:革新的酸化制御システムMA-T技術を提供開始(PDF形式:483KB)
財務方針
稼ぐ力を高め、安定的なフリーキャッシュフローの創出を目指します。稼いだキャッシュを継続的な成長に必要な投資と株主還元にバランスよく配分します。
資金使途 | 調達時想定 | 想定投資金額 | 投資案件 |
---|---|---|---|
アジア収益基盤拡大に向けた投資 | 55億円 | 70億円 |
|
ESG・イノベーション投資 | 30億円 | 60億円 |
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ICTインフラ投資・DX推進 | 15億円 | 40億円 |
|
新規設備投資(定常投資除く) | - | 30億円 |
|
借入金の返済 | 45億円 | - |
ガバナンス
2015年以降、コーポレート・ガバナンス改革を進め、当社のガバナンスは着実に進化を遂げており、今後も企業価値の向上に向け、さらなる取り組みを進めていきます。
これまでのガバナンス改善施策
2015年 | ガバナンス改革スタート |
---|---|
2016年 | 社外取締役2名体制へ |
2017年 | 取締役会の実効性評価開始 |
2018年 | 取締役定数10名へ、任期1年に短縮 経営スピード向上のため執行役員制度 導入 譲渡制限付株式報酬制度 導入 政策保有株式売却 ➡ 持合株式縮減 |
2019年 | 取締役会のダイバーシティ(国籍・ジェンダー) |
2020年 | エクイティ施策による株式流動性向上 |
2021年 | 『取締役の個人別報酬決定方針』 策定 コーポレート・ガバナンス推進委員会 設置 サステナビリティ推進委員会 設置 取締役のスキル・マトリックス策定 サステナビリティ基本方針策定 マテリアリティ特定 |
定量目標・KPI
指標 | 対象 | |
---|---|---|
収益性 | 営業限界利益=売上総利益-(販促費+物流費) | 営業活動における収益評価 |
貢献利益=営業利益+スタッフ部門費用 | 事業部門・カテゴリーの収益評価 | |
資本効率 | 資本コスト | 投資案件の実施判断 |
2020年実績 | 2023年計画 | 増減 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1,960億円 | 2,130億円 | +170億円 |
営業利益 | 114億円 | 140~160億円 | +26~46億円 |
当期純利益 | 35.4億円 | 100億円 | +64.5億円 |
ROE | 7.4% | 13.0%以上 | +5.6pt以上 |
DOE | 5.1% | 4.0%以上 |
※2022年より採用予定の新・収益認識基準は考慮していない
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