中期経営計画
アース製薬は、企業価値の向上に向け、2026年12月期を最終年度とする3ヵ年の新中期経営計画「Act For SMILE COMPASS 2026」を策定しております。前中期経営計画の振り返りをもとに、課題を整理し、3つの重点方針を定めました。それぞれの重点方針のもと、各取り組みを推進し、2027年以降の成長につなげる基盤作りの期間としています。
各重点方針の取り組み
1.海外の売上拡大
- 現地法人を軸にした成長戦略の遂行
・現地法人の実態に即した販売戦略・施策を展開し、各国での市場シェア拡大を目指す。
・輸出事業においては独自性の高い虫ケア用品を中心に展開エリアを拡大し、市場性の高いエリアを見定めて資源を投入する。
- 各エリアの中長期計画と連動したサプライチェーンの整備
・商品の開発計画と連動し、円滑な供給に向けた調達・生産体制の整備、物流網の構築を行う。
- 成長を支える人財の拡充
・海外で活躍するために必要な人財要件を定義するとともに、海外勤務に関わる人事制度を再整備する。
・計画的な異動・育成・採用によりグローバル人財の拡充を図る。
2.収益構造改革
- ブランド・SKUの「選択と集中」
・将来性と収益性を考慮し、SKU30%削減を目標として効率化を目指す。
・マーケティング投資配分を見直し、入浴剤・口腔衛生カテゴリーへ積極投資を行う。
- ブランド価値およびWTP(willingness to pay※)の向上
・長く支持されるブランドとなるために、お客様にとってのブランド価値を再定義しマーケティングを推進する。
・ブランドKPIの再設計およびコミュニケーション施策のモニタリング強化により、施策改善の精度を高める。
※willingness to pay:支払意思額
- 虫ケア用品 返品率低減
・「虫ケア用品 返品ゼロ」の目標に向けて返品削減を実施し、環境負荷低減にも貢献する。
3.グループ経営力強化
- 組織再編によるコストシナジー創出
・グループ全体最適の視点で組織の再編・機能の統廃合を推進し、コストシナジーを生み出す。
- 戦略的M&A
・アースグループにおける課題解決の手段の一つとしてM&Aを位置付け、積極的な検討・推進体制を構築する。
・M&Aロング/ショートリストの再整備・PMI推進体制の刷新を行う。
- 投資採算性の向上
・投資後のモニタリングを着実に実施し、課題の早期発見と解決に向けた打ち手の協議を行う体制を強化する。
Cashアロケーション
収益構造改革の推進によって、収益性・在庫効率を向上させ、キャッシュの創出力を高めていきます。
【有利子負債】 |
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‐必要に応じて機動的に調達 |
‐D/Eレシオ:0.3~0.4倍とし、財務健全性を担保 |
【投資】:約300億円を計画 | |
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‐構造改革資金:50~60億円 | |
‐設備・ITデジタル投資:150億円(50億円/年) | |
‐人財投資資金:10億円 | |
‐M&A待機資金:100億円 |
【株主還元方針】 |
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‐DOE4%を目安に安定配当を実施 |
‐自己株買いは機動的に検討 |
定量目標
2026年時点では、構造改革の成果が見え始めるものの、あくまで通過点で、準備の3年間を経た2027年以降、飛躍的な成長を目指します。
2023年実績 | 2026年計画 | 増減 | ||
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収益力 |
連結売上高 | 1,583億円 | 1,700億円 | +117億円 |
海外売上高* |
175億円 (11.1%) |
250億円 (14.7%) |
+75億円 (+3.2pt) |
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営業利益 | 63.7億円 | 70億円 | +6.3億円 | |
営業利益率 |
4.0% | 4.1% | +0.1pt | |
当期純利益 | 41.0億円 | 43.0億円 | +2.0億円 | |
資本効率 |
ROE | 6.3% | 7.2% | +0.9pt |
ROIC | 5.6% | 5.4% | ▲0.2pt | |
WACC | 4.6% | 4.1% | ▲0.5pt | |
財務健全性 | D/Eレシオ | 0.15x | 0.3~0.4x | |
株主還元 | DOE | 4.0% | 4%台維持 |
*当社管理会計ベース、内部相殺取引などの連結調整は含まない
中長期構想
アースグループの長期的な成長に向けて、海外事業などの成長領域を支えるガバナンス体制の構築や、シナジー創出に向けた組織機能の再編などグループ経営基盤を整備し、2027年以降の利益率向上を目指します。