アース製薬

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キケンから守る取り組み

虫媒介感染症予防の推進

取り組む背景

世界人口のほぼ半数がマラリアのリスクにさらされ、2億4700万人がマラリアを発症し、約619,000人が死亡したと推定されています(2021年WHO調べ)。またWHOは2019年、地球規模で注力すべき10の健康危機課題に蚊媒介感染症であるデング熱疾患を掲げました。近年の物流や人々の移動のグローバル化に伴い、熱帯地域の感染症も全世界へのリスク拡大が進んでいます。地球温暖化に伴う虫の生息域の拡大や外来生物の増加により、虫が媒介する感染症のリスクは増大しています。

アース製薬では、グローバルな保健衛生問題である、虫を媒介感染症(マラリア、デング熱等)の予防に貢献します。アース製薬のステークホルダーの中には、マラリア、デング熱などをはじめとする虫による感染症や虫による様々な被害が流行・予想される地域で活動されている方もいらっしゃいます。これらの世界的な健康課題に、当社の知見や技術、製品を活かして積極的に取り組んでいます。

「殺虫剤」から「虫ケア用品」へ呼称変更

「殺虫剤」から「虫ケア用品」へ呼称変更

「殺虫剤」と呼ばれている商品は、人口減少が続く中にあっても、地球温暖化の影響や外来生物の増加によって売り上げが増えています。その中で消費者の「薬剤の毒性が高そう」というイメージが強いことも分かりました。実際の製品は極めて安全性が高いため、イメージによる誤解を払拭して、蚊によるデング熱やジカ熱などへの正しい感染症ケアにつなげるための第一歩として、「虫ケア用品」への呼称変更を決めました。
呼称変更に当たっては、商品の安全性が正しく伝わること、商品をイメージしやすく呼びやすいネーミングであること、感染症ケアにとって重要な商品群の一つであると表現できることを重視しました。これによって、「毒性が高そうで使いたくない」と考える消費者にも安心してお使いいただけるよう情報発信するとともに、呼称変更の背景やメリットなどを紹介したビデオを用いて、小売店など関係各所に対する啓発活動を進めています。

虫ケアステーション

虫ケアステーション

マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染者数が2022年には過去最多を記録するなど、全国的に虫媒介感染症への警戒心が強まる中、当社では虫ケア啓発活動として、アウトドアイベントやスポーツ競技の会場内に「虫ケアステーション」を出展しています。「虫ケアステーション」とは、虫媒介感染症のリスクを紹介し、虫よけ剤による予防と効果的な使い方を提案するための当社オリジナルのブースです。当ブースでは、虫よけ剤「サラテクト」を実際に用いながら正しい使い方を伝え、時には害虫や被害症例を展示することで虫ケア啓発を行っています。これまで、大阪府羽曳野市、広島県広島市、熊本県南阿蘇村などの屋外イベントで実施し、参加者への啓発・予防を行いました。いずれも当社としては初めての取り組みで、多くの関心を寄せられた有意義な活動となりました。虫媒介感染症対策の啓発は当社の重要な使命であり、少しでも被害の減少に貢献できるよう、今後さらに「虫ケアステーション」による啓発活動を拡大していきます。

虫ケア出前授業

虫ケア出前授業

感染症を媒介する虫など、様々な「キケンな虫」について、正しい知識と対策を学ぶことは非常に大切です。そこで当社は、主に子ども達を対象に、「野外での虫対策」と題した出前授業を開催しています。授業の中では、「キケンな虫」も生態系の一部を担う大切な生き物である事に触れながら、「キケンな虫」の生態や、対策として「虫よけ剤の正しい塗り方」等を説明しています。授業での学びを通して、子ども達の健康を守り、安心・安全な野外活動・日常生活への寄与を目指しています。

アース虫ケアセミナー

虫ケアセミナー""

「正しい知識で正しく虫ケア」をしていただくための啓発活動として、「アース虫ケアセミナー2023」を開催しました。今年で4回目となる本セミナーは、「虫ケアから感染症予防を考える」というテーマで実施しました。講演では昨年に引き続き、国立環境研究所の五箇公一先生と大阪大学の忽那賢志先生がご登壇。五箇先生は「今、昆虫の世界が大変〜地球環境変動がもたらす感染症リスク〜」と題し、深刻化する生物多様性について、そして生物多様性保全は人間社会を守るための安全保障であること、人と他の生き物が正しく共生できるための「ゾーニング」という考えについてご講演されました。忽那先生は「蚊やマダニからうつる感染症から身を守ろう!」とし、蚊やマダニが媒介する感染症についての解説と、その対策や予防をするための虫ケアの重要性をご講演されました。今年は東京と大阪の2会場で開催し、またオンラインでも多くの方にご視聴いただきました。今後も学識者との連携により信頼度の高い情報発信を取り入れた虫ケア啓発活動を進めていきます。

海外での取り組み

ASEANでの事業展開

当社がASEANのタイに進出して約40年。当時は平均賃金や衛生意識がまだ低かったことや、国民の90%以上が仏教徒であるため、殺生を嫌うという文化的背景があり、さらに、タイ語で、殺虫剤と農薬が同じ言葉であることから、農薬の誤飲に関する死者が出たというニュースが出るたびに、当社の虫ケア用品に対してネガティブなイメージがつくこともありました。
当社は、約40年間にわたる現地に根付いたマーケティング活動を通して、殺虫剤は農薬とは違って家庭向けに安全に作られているということを、現地にいる300名以上の営業担当者やプロモーション担当者がさまざまな形で啓発し、安心・安全な製品であることを訴え続け、2023年、殺虫剤はタイにおいて、市場第2位のメーカーになりました。近年、タイのみならず東南アジア諸国ではデング熱に罹患する人々が増加しています。その東南アジアからの輸入感染を含め、日本やアメリカ、フランスなど世界120カ国以上でデング熱の感染が報告されています。
当社とEarth(Thailand)Co., Ltd.は、SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」を共通のゴールとしました。SDGsのターゲット3.3の2030年までにマラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶する、に寄与すべく、地元の公衆衛生局や教育省とともに販売および社会貢献活動を通して蚊媒介感染症予防のための正しい知識を広められるよう努めていきます。

ベトナムでのデング熱抑制に向けた取り組み

ベトナムでのデング熱抑制に向けた取り組み

World Mosquito Program(WMP)は、世界中の人々を蚊媒介性感染症から守るためにオーストラリアのモナッシュ大学の研究者らによって設立された非営利型イニシアティブです。WMPは、ボルバキアという細菌を使用して、デング熱、ジカ熱、チクングニア熱、黄熱病などの蚊媒介性感染症の感染者数を減らす活動を行っています。当社は、WMPによるベトナム(ミンズオン省トゥザウモット市)でのデング熱防圧プログラムを2021年から支援しています。アース製薬とWMPは、同じ目標を共有し、SDGsの達成に向けて協働します。

Earth&WMP ボルバキア手法について(外部サイト)

「Earth&WMP 南ベトナム事業 2020-2023」南ベトナムでのWMPとのデング熱予防啓発事業について(外部サイト)

World Mosquito Program(WMP)(外部サイト)

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