虫媒介感染症対策
虫媒介感染症予防の推進
取り組む背景
2024年のマラリア感染者数は推定2億8,200万人(前年比7.2%増)、死亡者数は61万人(同2.2%増)と報告されています(「世界マラリア報告書2025」より)。また2019年、WHOは地球規模で注力すべき10の健康危機課題に、蚊媒介感染症であるデング熱疾患を掲げています。近年の物流や人々の移動のグローバル化に伴い、熱帯地域の感染症も全世界へのリスク拡大が進んでいます。地球温暖化に伴う虫の生息域の拡大や外来生物の増加により、虫が媒介する感染症のリスクは増大しています。当社は、虫を媒介して罹患する恐れのある感染症(マラリア、デング熱等)の予防に貢献します。ステークホルダーの皆様の中には、マラリア、デング熱などをはじめとする虫による感染症や虫によるさまざまな被害が流行・予想される地域で活動されている方もいらっしゃいます。これらの世界的な健康課題の解決に対して、当社の知見や技術、製品を活かして積極的に取り組んでいます。
基本的な考え方
アース製薬は、「感染症トータルケアカンパニーとして、世界の人々の安全で快適な暮らしを実現する」というミッションのもと、ASEAN諸国を中心に事業展開を行っています。単なる製品提供にとどまらず、地域の課題解決と市場創出を一体化させた独自の活動「Earth CSR Project(ECP)」を通じて、タイをはじめとしたASEAN諸国に対して「持続可能な公衆衛生基盤の構築」に挑戦しています。
市場活動
「殺虫剤」から「虫ケア用品」へ呼称変更
売り場案内の「虫ケア用品」表示
この呼称変更に際して、小売店、関係各所へのご理解を求めるとともに、消費者に向けた情報発信を行い、正しい感染症ケアの知識を広めるための活動を推進しています。
教育・啓発
自治体との協働による「虫媒介感染症予防啓発ポスター」の展開
当社は、全国約20の自治体と協働し、蚊やマダニが媒介する感染症の予防啓発活動を推進しています。近年、地球温暖化などの要因により虫媒介感染症(重症熱性血小板減少症候群:SFTSやデング熱など)のリスクが増大しています。当社はこれを重要な社会的課題と捉え、正しい予防策を住民に広く届けるため、ポスターの掲出やチラシの配布による啓発活動を展開しています。ポスターやチラシは各自治体と協議の上で作成しており、肌を露出しない服装や虫よけ剤の適切な使用方法など、虫から身を守るための効果的な対策を分かりやすく紹介しています。これらは、自治体の庁舎や学校、保健所などの公共施設を中心に掲出・配布しています。誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、本活動を継続してまいります。
虫ケアステーション
「虫ケアステーション」は、蚊やダニが媒介する感染症のリスクを紹介し、虫よけ剤による予防と効果的な使い方を提案するための当社オリジナルのブースです。当ブースでは、虫よけ剤「はだまも」を実際に使いながら正しい使い方を伝え、時には害虫や被害症例を展示することで虫ケア啓発を行っています。
また、公立公園等では当ブースの常設も進めており、屋外施設の安全・安心な運営に向けて活用されています。虫媒介感染症対策の啓発は当社の重要な使命であり、少しでも被害の減少に貢献できるよう、今後さらに「虫ケアステーション」による啓発活動を拡大していきます。
虫ケア出前授業
感染症を媒介する虫など、さまざまな「キケンな虫」について、正しい知識と対策を学ぶことは非常に大切です。そこで当社は、主に子どもたちを対象に、「蚊学のおはなし」と題した授業を科学技術館等で開催しています。授業の中では、「キケンな虫」も生態系の一部を担う大切な生き物である事に触れながら、「キケンな虫」の生態や、対策として「虫よけ剤の正しい塗り方」等を説明しています。授業での学びを通して、子どもたちの健康を守り、安心・安全な野外活動・日常生活への寄与を目指しています。
アース虫ケアセミナー
「正しい知識で正しく虫ケア」を普及させるための啓発活動として、毎年「アース虫ケアセミナー」を開催しています。7回目を迎えた2026年は大阪会場にて開催し、多くの皆様にご来場いただきました。近年、気候変動やグローバル化の影響により「虫媒介感染症」のリスクが身近なものとなっています。また、身の回りにいる蚊やマダニといった屋外の危険に加え、家の中に潜むダニによる被害など、日常生活における身近な虫のトラブルに不安を感じている方も少なくありません。虫の正しい情報と対策を知ることは、大切な家族の健康を支える第一歩となります。本セミナーでは、皮膚科医などの専門家をお迎えし、具体的な対策や正しい知識を分かりやすく解説いただきました。また、会場では当社社員による害虫相談や「虫ケア用品」の紹介を行い、来場者の皆様との双方向のコミュニケーションを大切にしながら、健やかで快適な暮らしに役立つ情報を提供しました。今後も学識者との連携により、信頼性の高い情報発信を取り入れた虫ケア啓発活動を推進してまいります。
海外での取り組み
ASEANでの事業展開
当社がASEANのタイに進出して約40年。当時は平均賃金や衛生意識がまだ低かったことや、国民の90%以上が仏教徒であるため、殺生を嫌うという文化的背景があり、さらに、タイ語で、殺虫剤と農薬が同じ言葉であることから、農薬の誤飲に関する死者が出たというニュースが出るたびに、当社の虫ケア用品に対してネガティブなイメージが付くこともありました。
当社は、約40年間にわたる現地に根付いたマーケティング活動を通して、殺虫剤は農薬とは違って家庭向けに安全に作られているということを、現地にいる300名以上の営業担当者やプロモーション担当者がさまざまな形で啓発し、安心・安全な製品であることを訴え続け、2023年、殺虫剤はタイにおいて、市場第2位のメーカーになりました。近年、タイのみならず東南アジア諸国ではデング熱に罹患する人々が増加しています。その東南アジアからの輸入感染を含め、日本やアメリカ、フランスなど世界120カ国以上でデング熱の感染が報告されています。
当社とEarth(Thailand)Co., Ltd.は、SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」を共通のゴールとしました。SDGsのターゲット3.3の2030年までにマラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶する、に寄与すべく、地元の公衆衛生局や教育省とともに販売および社会貢献活動を通して蚊媒介感染症予防のための正しい知識を広められるよう努めていきます。
タイでのデング熱撲滅の取り組み
タイ現地における啓発活動
アース(タイランド)は「感染症トータルケアカンパニーとして、世界の人々の安全で快適な暮らしを実現する」をスローガンに、「Earth CSR Project」として社会貢献活動に取り組んでいます。デング熱撲滅を取り組みの主な活動とし、虫ケア用品をサンプリングするとともに「デング熱予防」の啓発リーフレットを配布し、感染の怖さと予防の大切さを広めています。病院や学校、献血センター、市場、小売店店頭でのサンプリングのほか、学校ではデング熱予防の勉強会も開催しています。
研究と製品開発
アース(タイランド)社には、独自の研究開発部門と害虫飼育室があります。タイに生息する害虫は、日本で見られるものとは種が違うだけでなく、殺虫剤に対する抵抗力も異なります。そのため、日本で販売されている害虫駆除製品が効果を発揮しない場合があります。殺虫剤や忌避剤の中身だけでなく、必要とされる仕様も国によって異なります。だからこそ、私たちはタイに生息する害虫に効果的な配合の害虫駆除製品を提供し、困っている人々を助けています。
蚊だけでなく、シロアリも家具や家屋に被害を与え、多くの人々を悩ませています。シロアリ用エアゾールの高い市場シェアも日本とは異なります。競合他社も同様の製品を製造していますが、アースタイランドの製品は効果が長持ちするのが特徴です。