アース製薬

TCFD/TNFD提言に基づく情報開示

アース製薬の気候変動/自然関連課題への対応

気候変動や、生物多様性の損失をはじめとする自然関連課題は、当社にとってリスクであると同時に新たな収益機会につながる重要な経営課題であると認識しています。これらの課題に対する取り組みを積極的に、また能動的に行うことは、中長期的な当社の企業価値向上と持続可能な社会の構築につながるものであると考え、ステークホルダーの皆様と適切に協働し、当社のみならず社会全体に利益をもたらすことを目指します。また、こうした取り組みを通して、当社は SDGs やパリ協定、昆明・モントリオール生物多様性枠組で掲げられた目標達成への貢献を目指します。

当社は、気候変動や自然関連課題を中長期的な企業価値向上における重要な経営課題と認識し、TCFD/TNFDの両フレームワークに即した統合的な情報開示を行います。

一般要件

・マテリアリティの適用: ダブルマテリアリティの考え方に基づき、事業活動と自然の相互影響を特定・評価しています。
・開示のスコープ: 主要事業である家庭用品事業を対象に、原材料とバリューチェーンの観点で絞り込みを行っています。
・自然関連課題がある地域: 生態系の完全性や生物多様性の重要性、水リスク等の観点から課題地域を分析しています。
・サステナビリティ開示の統合: TCFDとTNFDのフレームワークに沿った分析内容を統合して開示しています。
・対象期間: 短期を1年、中期を2030年、長期を2050年と設定しています。
・ステークホルダーとのエンゲージメント: 人権・調達方針の周知や、サプライヤーへの「サステナビリティ・アンケート」等の適切なエンゲージメントを行っています。

ガバナンス

取締役会の監督体制

代表取締役社長CEOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」においてサステナビリティに関する方針や計画をレビュー・審議・決定し、取締役会がその報告を受け、監視・監督を行う体制を構築しています。また、その下部に「サステナビリティ推進部会」を設置し、気候変動や自然関連の課題について協議・情報共有を図り、全社一体となって課題解決に取り組んでいます。

ガバナンス体制図

サプライチェーンにおける人権尊重・責任ある調達の考え方

サプライチェーンにおける人権尊重・責任ある調達の詳細は「サプライチェーンマネジメント」をご参照ください。
サプライチェーンマネジメント | サステナビリティ | アース製薬 企業情報

リスクマネジメント

サステナビリティ委員会が全社的なリスク・機会を統合的に特定・評価(発生可能性・影響度)し、重要なリスクを選定しています。また、対応策の実施状況を監督するとともに、定期的に取締役会へ報告・付議する体制をとっています。

戦略

当社グループは、TNFDが推奨するLEAPアプローチを活用し、全社的なリスクマネジメントに統合し、優先地域の特定(Locate)から自然への依存・インパクトの評価(Evaluate)までを一貫して実施しました。この包括的な診断結果に基づき、経営戦略および財務に影響を及ぼす気候・自然関連のリスクと機会(Assess)を定量的・定性的に特定・評価しています。

分析範囲の設定(Scoping)

財務的インパクトの大きい家庭用品事業を対象に、バリューチェーンの整理と分析対象とする原材料のスクリーニング(絞り込み)を実施しました。具体的には、仕入金額上位30位の主要品目から、自然資本への依存度・インパクト(影響)が高い石油、天然ガス、パーム、サトウキビ、木材、トウモロコシの6品目をマテリアルな分析対象として選定しています。

バリューチェーンの観点では、上図に示す「上流」「直接操業」「下流」について、LEAPアプローチのステップごとに、下表のとおり分析対象範囲を設定しました。

サプライチェーン上流の位置情報の特定(Locate)に一定の制限があるものの、自然関連リスクの重要性を鑑み、公開情報から国レベルで採取地を推定・網羅することで分析の妥当性を担保しています。一方で、拠点数が膨大な下流の販売工程や、評価ツール(ENCORE)に対象業種がない「使用・廃棄」工程についてはについては分析対象外としました。なお、リスクと機会の評価(Assess)および対応準備(Prepare)のステップは、これら上流・直接操業の分析結果をそのまま反映させて実施しています。

1. 自然との接点の発見(Locate): 分析対象とした拠点および国について、自然への影響が大きい「要注意地域」(下図)と企業への影響が大きい「マテリアルな地域」を重ね合わせて優先地域を特定しました。

2. 依存とインパクトの診断(Evaluate): 依存とインパクトの評価ツール等を用い、バリューチェーン上の各工程における自然への依存(気候調節、水供給、土壌調整等)および自然へのインパクト(陸域利用、汚染、廃棄物等)を特定・評価しました。

3. リスクと機会の評価(Assess): 「政策・市場変化シナリオ」と「気候・自然影響シナリオ」の2つのシナリオを設定し、それぞれに基づいて「移行リスク」「物理リスク」および「機会」の特定と影響度・発生可能性の評価を行いました。

4. 対応し報告するための準備(Prepare): 特定されたリスクと機会に対し、以下の取り組みを行っています。

バリューチェーン上流に対する取り組み

・持続可能な原材料の調達・サプライヤーエンゲージメント
・2030年までに森林認証紙の使用率を70%以上とする目標を設定(「バスロマン」でのFSC®認証紙採用等)。
・サプライヤーへのサステナビリティ・アンケートや個別対話の実施。
詳細は「サプライチェーンマネジメント 」をご参照ください。

直接操業・物流に対する取り組み

・GHG排出量削減 : GHG排出量の削減に関する取り組みは「目標」パートをご参照ください。

・化学物質管理  : 関連法令の遵守、有害懸念物質の使用削減・代替、VOC排出抑制。詳細は「化学物質管理 」をご参照ください。

・水資源     : 2030年度までに水使用効率を10%向上(2020年度比)させる目標の設定、設備洗浄方法の見直し。詳細は「水資源への取り組み」をご参照ください。

・廃棄物削減   : 2026年度までの工場・研究所のゼロエミッション化目標の設定、再資源化の推進。詳細は「資源循環・廃棄物への取り組み 」をご参照ください。

・気候変動への適応: 気候変動に伴う風水害の激甚化・頻発化を含む自然災害に備えた「危機管理マニュアル」および「BCPマニュアル」の策定。
           危機管理委員会による机上訓練の実施や従業員への定期的な教育訓練。

・生物多様性の保全: 「生物多様性方針」の策定、社有緑地「アース坂越の森」の自然共生サイト登録。
           「外来生物対策チーム」によるツマアカスズメバチやアルゼンチンアリ等の防除・研究協力。

バリューチェーン下流に対する取り組み

環境配慮型製品(アースECO基準)の開発や、気温上昇に伴う感染症リスク低減商品の社会実装

指標と目標

指標

当社グループのGHG排出量は以下の通りです。

対象スコープ 2022年 2023年 2024年 2025年
スコープ1(エネルギー起源) 4,858 4,824 5,432 4,875
スコープ2(マーケット基準) 10,864 10,423 11,200 10,219
スコープ3 1,505,798 1,520,404 1,704,474 1,664,777
1,521,520 1,535,650 1,721,106 1,679,871

単位:t-CO2

TNFDが開示を推奨するグローバル中核開示指標に基づき、当社グループの状況を下表に示します。断りがない場合、対象範囲は単体となります。

目標

気候と自然に関して設定している目標と実績について下表に示します。

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